【初心者向け】Shopifyメタフィールド完全ガイド|独自情報を簡単に追加する方法
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メタフィールドとメタオブジェクトの違いを解説
Shopifyストアを運営していて、「商品にカスタムデータを追加したい」、「複雑なデータ構造を扱いたい」と思ったとき、頻繁に候補に挙がるのがメタフィールドとメタオブジェクトです。
両者は一見似ていますが、実装方法と使い方が大きく異なります。
この記事では両者の根本的な違いから実践的な活用シーンまで徹底解説します。
この記事でわかること
こんな悩みを解決します
メタフィールド:既存リソース(商品・コレクションなど)に紐付く追加プロパティ。あくまで親リソースの拡張として機能。
メタオブジェクト:独立したデータとして存在し、他のリソースから参照可能(再利用可能)なデータ構造。
この根本的な構造の違いが、使いどころやメリット・デメリットに直結します。
比較ポイント | メタフィールド | メタオブジェクト |
---|---|---|
データの独立性 | 親リソース(商品など)に従属 | 独立したデータとして存在 |
テーマからのアクセス | 親リソース経由でのみアクセス可能 | どこからでも直接アクセス可能 |
再利用性 | 低い(毎回入力が必要) | 高い(一度作って複数箇所から参照) |
データ構造 | 単一値または単純な配列 | 複雑な多階層構造も可能 |
関係性の表現 | 一対一の関係のみ | 一対多、多対多の関係も表現可能 |
セットアップの複雑さ | シンプル | やや複雑 |
重要ポイント
メタオブジェクトの最大の利点はテーマのどこからでもアクセス可能という点です。
これは特に複数の場所で同じデータ(例:ブランド情報)を表示したい場合に非常に有効です。
対してメタフィールドは常に親リソース(例:特定の商品)を通じてのみアクセスできます。
例えば「ブランド情報」を管理する場合
実例
アパレルECの場合:各商品に「素材構成」、「お手入れ方法」、「モデル着用サイズ」などのメタフィールドを追加。これらは商品ごとに異なる情報なので、メタフィールドが最適。
実例
「Amazon SEO」を重視するショップ:各商品ページに最適化されたmeta description用メタフィールドを追加。これにより統一フォーマットでSEO対策が可能に。
実例
食品ECの場合:「アレルギー情報表示」のBoolean型メタフィールドを追加。オンの場合のみアレルギー情報ブロックを表示。
実装例
セレクトショップの場合:「ブランド」メタオブジェクトを作成し、各ブランドの「ロゴ」、「ストーリー」、「創業年」、「デザイナー情報」などのフィールドを定義。商品からはこのブランドオブジェクトを参照するだけで、コンテンツの一元管理が実現。
実装例
大規模ECサイトの場合:「FAQカテゴリ」と「FAQ項目」という2種類のメタオブジェクトを作成。カテゴリには「タイトル」、「表示順」、項目には「質問」、「回答」、「カテゴリ参照」フィールドを定義。これにより複雑な階層構造も表現可能に。
実装例
全国展開するアパレルチェーンの場合:「店舗」メタオブジェクトで「名称」、「住所」、「営業時間」、「電話番号」、「地図座標」、「店舗写真」、「取扱ブランド」などを管理。テーマの任意の場所から全店舗情報にアクセスでき、地図表示や店舗検索機能の実装も容易に。
実装例
季節商品を扱うECサイト:「キャンペーン」メタオブジェクトで「タイトル」、「バナー画像」、「開始日」、「終了日」、「対象商品」、「クーポンコード」などを管理。テーマのヘッダーやフッターから現在有効なキャンペーンを自動表示。
あるメンズコスメブランドがShopifyストアをリニューアルする際、以下のようにデータ構造を設計しました
メタフィールドで管理:
メタオブジェクトで管理:
この設計により、「商品固有の情報」はメタフィールドで、「共通で参照される情報」はメタオブジェクトで管理する明確な使い分けが実現しました。
状況 | 推奨する選択 | 理由 |
---|---|---|
商品ごとに異なる固有の情報 | メタフィールド | 商品に紐づく情報なので自然な形でデータ管理可能 |
複数箇所で同じ情報を表示 | メタオブジェクト | 一箇所で管理し複数箇所から参照することで重複を防止 |
シンプルなフラグや属性の追加 | メタフィールド | 単純な拡張なら設定の簡単なメタフィールドが効率的 |
複数項目がセットになった情報 | メタオブジェクト | 関連項目をグループ化して管理できる |
頻繁に更新が発生する情報 | メタオブジェクト | 一箇所の変更で全ての参照先に自動反映される |
既存データとの統合が必要 | 状況による | 既存システムとの連携方法や更新頻度で判断 |
プロからのアドバイス
両機能は排他的ではなく補完的に利用するのがベストです。例えば「商品固有の情報」はメタフィールドで、「複数商品で共有される情報」はメタオブジェクトで管理するなど、用途に応じて使い分けることで、最も効率的なデータ管理が実現します。
メタオブジェクトの真価は、複数のオブジェクト間で参照関係を構築できる点にあります。
ケース:化粧品ECサイトの成分管理システム
以下のメタオブジェクトとその関係性を構築:
この構造により、例えば「乾燥肌の人におすすめの商品」といった複雑なフィルタリングや、「この商品に含まれる成分の効果の総合解説」なども簡単に実装できます。
メタオブジェクト同士の参照関係を活用することで、従来のShopifyでは表現が難しかった複雑なデータモデルも実現可能になります。
メタオブジェクトは最初から完璧な設計を目指さず、段階的に拡張していくアプローチが効果的です:
段階的に拡張することで、運用しながら最適な構造を見つけることができます。
すでにメタフィールドを活用しているショップが、より効率的なデータ管理のためにメタオブジェクトへ移行するケースも多くあります。
あるハンドメイド雑貨を扱うECサイトでは、当初各商品に「作家名」、「作家プロフィール」、「作家の写真」などのメタフィールドを個別に設定していました。データ量の増加に伴い、同じ作家の情報を何度も入力する手間と、更新時のミスが課題となりました。
移行後の構造:
効果:データ入力工数が約70%削減。情報の一貫性も向上し、作家情報の更新も一度で全商品に反映されるようになりました。
A. はい、多くの場合で両方を組み合わせることが理想的です。例えば、商品固有のスペックはメタフィールドで管理しつつ、共通のブランド情報やシーン別のコンテンツはメタオブジェクトで一元管理するといった使い分けが効率的です。両者はお互いに排他的ではなく、補完的な関係です。
A. 基本的な設定はShopifyの管理画面から行えるので、初心者でも始められます。ただし、複雑な表示や条件分岐を行うには、Liquidの基本的な理解は必要になります。まずは小さな実装から始めて、徐々にスキルを高めていくアプローチがおすすめです。
メタフィールドは「商品/コレクション/顧客に直接紐づく追加情報」の管理に最適です。シンプルで実装しやすく、既存リソースの拡張として自然に機能します。
メタオブジェクトは「複数の箇所から参照される構造化データ」の管理に最適です。データの一元管理と再利用性の高さが最大の強みで、より複雑なコンテンツ管理を可能にします。
両者の強みを理解し、適材適所で活用することで、Shopifyストアのデータ管理効率と表現力を大きく向上させることができます。
まずは自分のECサイトのニーズに合わせて、小さな一歩から始めてみましょう。
参考文献・おすすめリソース